LaTeXによるレポート作成の基本

更新日:2026年03月27日

1. はじめに

この資料では演習科目におけるレポート執筆について,基本的な注意事項を述べる. 講義中に担当教員から指示がある場合は,その指示に従うこと.

2. レポート執筆の基本

レポートは読書感想文ではない.少なくとも,以下の項目を意識して書く必要がある.

  1. レポートは 単体で1つの技術文書として完結 させること.

  • 教員が示したレポート課題や問題は別途参照しないでも理解できるように記述する必要がある.

  • 受講する前の自分自身を読者に想定してみるとよい. つまり,レポートだけ読んだときに当時の自分自身でも理解できるかどうか,を確認してみるとよい.

  1. 作業した内容だけを報告するのではなく,その考え方や学んだ内容も報告 すること.

  • 「教員がxxxxと説明していたので,xxxxを実装した」という意識で書かれたレポートでは不十分である.

  • 例えば,「(教員の説明を聞き,自分なりに理解した結果として)xxxxが必要だと考えたため, xxxxを実装をした」という意識で内容をまとめるとよい.

3. レポートの形式

講義中に担当教員から指示がない限り,原則として以下の形式に従うこと. 形式から大きく逸脱したレポートは採点されない場合がある.

3.1. 体裁

(1) 用紙・レイアウト
縦長の用紙 (portrait)に横書きで作成すること.
本文の幅は 16 cm 前後(A4用紙の場合)とし,余白の大きさに注意すること.
+ 補足:A4縦の幅は 21.0 cm.左右の余白を 2.5 cm 前後にすればよい.
本文やプログラムリストが印刷範囲からはみ出さないようにすること.
+ 補足:余白は印刷範囲ではない.
印刷物として提出する場合は,A4片面印刷として,左上をホッチキス等で綴じること.
(2) 表紙
表紙には原則として以下の内容を記載すること.※講義により指示が異なる
+ 講義名および課題名
+ 氏名
+ 学生番号
+ 出題日,提出日,締切日
表紙に記載すべき内容は,表紙ページ,あるいは1ページ目の先頭部分に記載すること.
(3) 文体・書体
「です」「ます」ではなく,「である」を用いること.
日本語文の句読点には,全角「,」と全角「.」を用いること.
本文のフォントには,原則として,明朝体(セリフ体)を用いること.
ゴシック体やタイプライタ体は,見出し,強調,図中の文字,ソースコードなど,本文と使い分ける用途に限って,適切に用いること.
(4) 図表
図を載せる場合は,その図の にキャプション(タイトル)をつけること
表を載せる場合は,その表の にキャプションをつけること.
図や表を記載した場合は,それらの図や表をかならず本文中で参照すること.

3.2. 章立ての例

以下に,演習・実験科目における,典型的なレポートの章立てを示す.

  • 1章 概要

  • 2章 プログラムの作成方針

  • 3章 プログラムおよびその説明

  • 4章 プログラムの使用法

  • 5章 プログラムの作成過程に関する考察

  • 6章 結果に対する考察 (または,設問に対する回答)

  • 7章 感想(任意)

  • 8章 作成したプログラムのソースコード(任意)

  • 参考文献(任意)

なお,これは,あくまで一例である. 作成要領や章立ての詳細は,各科目の担当教員の指示に従うこと.例えば,

4. レポート執筆上の注意

LaTeXの使い方については,工学基礎実験実習の教科書の第5章「文書整形」の章をよく読むこと. レポートを書くときは常に教科書を手元に置いておくと執筆がはかどるだろう.

4.1. 一般

適切な構造を持った文書を作成する.
  • 章を分けるためには \section コマンドを用いる.(ドキュメントクラスが jarticle の場合)

    • 章が長くなる場合には, \subsection , \subsubsection あるいは \itemize で細分化する.

  • 段落を変える場合は空行を作る,あるいは \par コマンドを用いる.

    • 通常,段落の開始では一字下げをするが,LaTeXでは自動的に字下げがおこなわれる. わざわざ全角スペースを入れる必要はない(というか,入れてはいけない).

    • 段落を変えるべき場所で \\ による改行をしてはならない. 表を書く以外の箇所で \\ による改行を使うことは,ほぼない.

わかりやすい文書を構成する.
  • 1つの段落には複数の文章から成る1つの話題を書く.

    • 長い文章になっている場合は,適切に句点「.」で文を区切ることを検討する.

  • 段落内で話題があいまいにならないように書く.

    • 結果の出力が分かりにくいものや膨大なものの場合は,表やグラフなどの形式で表現する.

    • プログラムリストや結果出力が長くなる場合は,タイトルをつけてレポートの最後に回し, 本文中ではタイトルで参照するだけにする.

各章の記述内容・分量のバランスに注意する.
  • 例えば,「概要」で延々と実験結果や数式を用いた説明を行わないようにする.

  • レポートの途中で長々とソースコード等を掲載しないようにする.

実験結果と考察を区別して書く.
  • 最低限,客観的な事実,論理的な推論,主観的な意見の3種を,異なる文として書くよう意識してみるとよい.

  • (特別な指示がない限り)感想を結果として書くことを避ける.

  • (特別な指示がない限り)感想を考察として書くことを避ける.

4.2. 数式

本文や表中に数式が現れる場合は $ $ で括る.
  • 例えば,「x」など1文字であっても $x$ とする,負の数も $-1$ とする.

記号を入力する際は,適切な措置を取る.
  • 例えば,不等号(<>)を不用意に用いると, ! や ? が上下反転した記号が現れる.

  • _^~ も適切な方法をとらねば正しく表示されない.

インライン数式とディスプレイ数式を使い分ける.
  • $ $ で囲んだインライン数式で \frac 等を使うのは見苦しい場合が多い.

  • ディスプレイ数式(\[ \]\begin{align} \end{align} など)を用いるか, $a/b$ の様に書くとよい.

上付き文字 ^ や下付き文字 _ を使う場合には注意する.
  • 2文字以上を対象とする場合は, x_{k+1} のように {} で括る.

数学的なかけ算の意味で * 記号を使わない.
  • 数式の中で乗算を書くなら \cdot\times を利用する.

  • ただし,プログラムソースコードとして書くのであれば,その限りではない.

必要に応じて,数式にはラベルを付け,引用する.
  • 数式には \label をつけて,後の文で引用する場合には \ref を用いる.

  • 「以下の式」とか「上の式」などではなく,「式(2)」のような明確な引用をしたほうが良い.

4.3. 図表

(参考:LaTeXの使い方の「表の挿入」や「画像の挿入(graphicxパッケージ)」)

図や表にはキャプション(タイトル)をつける.
  • 図のキャプションは図の下に,表のキャプションは表の上につけること.

  • 参考 \caption{} コマンド

図や表を記載した場合は,それらの図や表をかならず本文中で参照する.
  • 本文から参照のない図,グラフ,表,プログラムリスト,参考文献は意味がない.

  • 参考 \label{} コマンド,および, \ref{} コマンド

図や表は,figure 環境や table 環境を用いて,紙面の上部か下部にまとめ,見やすくすることを心がけること.
  • \begin{figure}\begin{table} のオプションとして tb を指定すると良い.

  • 図や表の横位置としては,中央揃えが一般的である.

注釈

例えば,ある国際会議の発表原稿では次のように指示されている.
> Please define figures (and tables) as floating objects.
> Please avoid using optional location parameters like “[h]” for “here”.
意訳: 図表の位置は LaTeX に任せる.[h]を使ってはならない.
図表の大きさに注意し,余白部分にはみ出さないようにする.
  • LaTeX コンパイル時の Warning メッセージ (Overfull hbox) に注意すること.

  • 横長の表を書いて,左右の余白部分に入らないように注意すること.

  • 図の大きさは適切に調節すること.

    • \includegraphics[]{} のオプションとして [scale=0.5][width=.5\textwidth] などを用いる

チャート(棒グラフや折れ線グラフなど)を描く際は,適切な情報を示す.
  • 何の何に対するチャートなのかをキャプションで説明すること

  • 各軸と単位を明示すること.

  • 必要に応じて対数グラフを選択すること.

参考

1  \usepackage[dvipdfmx]{graphicx}
2
3  % ↑ Preamble ↑
4  \begin{document}
1  \begin{figure}[t]
2    \centering
3    \includegraphics[width=.5\textwidth]{xxxx.png}
4    \caption{}
5    \label{}
6  \end{figure}
1  \begin{table}[t]
2    \centering
3    \caption{}
4    \label{}
5    \begin{tabular}[]
6    ...
7    \end{tabular}
8  \end{figure}

4.4. 計算機の出力やソースコード

(参考:LaTeXの使い方の「ソースコードの挿入」)

計算機の出力やソースコードには,専用の字体を用いる.
  • 例えば,verbatim 環境や Verbatim 環境(fvextraパッケージ or fancyvrbパッケージ)を用いればよい.

  • 文章内の単語に対しては, \verb||\texttt{} を使うとよい.

    • 例:次に変数 \verb|str| について説明する.

ソースコードには,行番号を入れて参照しやすいようにする.
  • cat -n コマンドを使う方法や,Verbatim 環境(fvextraパッケージ or fancyvrbパッケージ)を使う方法がある

出力結果は,適宜要約する.
verbatim 環境利用時のはみだしに注意する.
  • verbatim 環境内では,紙面端における自動折り返しはされない.

  • LaTeX コンパイル時の Warning メッセージ (Overfull hbox) に注意する.

参考

  • ソースコードを書く際の典型例 (fvextra でエラーが出る場合は fancyvrb を使うとよい)

1  \usepackage{fvextra}
2
3  % ↑ Preamble ↑
4  \begin{document}
 1  % Verbatim environment  (fvextra package or fancyvrb package)
 2  %   - numbers           行番号を表示.left なら左に表示.
 3  %   - xleftmargin       枠の左の余白.行番号表示用に余白を与えたい.
 4  %   - numbersep         行番号と枠の間隙 (gap).デフォルトは 12 pt.
 5  %   - fontsize          フォントサイズ指定
 6  %   - baselinestretch   行間の大きさを比率で指定.デフォルトは 1.0.
 7  \begin{Verbatim}[numbers=left, xleftmargin=10mm, numbersep=6pt,
 8                      fontsize=\small, baselinestretch=0.8]
 9  #include <stdio.h>
10
11  int main()
12  {
13      char s[4] = {'A', 'B', 'C', '\0'};
14
15      printf("s = %s\n", s);
16
17      return 0;
18  }
19  \end{Verbatim}

4.5 参考文献

本文で引用している文献のみリストに入れる.
  • 本文で引用されない文献をリストに入れてはいけない.

  • 参考文献は,必ず本文から参照される必要がある.図表と同じである.

本の内容を理解せず書き写すようなことはしない.
  • 本の内容をレポート中にそっくりそのまま書き写す必要はない.

  • ページや章に対して,適切に引用し,必要に応じて要約して示せばよい.

文献一覧を作成するためには thebibliography 環境を用いる.
  • 一覧の要素は \bibitem で列挙しておいて,本文では \cite を用いて引用する.

  • URL の場合は \verb|http://www....| の様に書くと良い.

  • 書き方に困った場合は,電子情報通信学会情報ソサイエティの 投稿のしおり を参考にするとよい

参考:参考文献を書く際の典型例

 1%
 2% 本文中では\citeで引用する
 3%
 4・・・ここで,比較のためのクイックソート関数は教科書のプログラム\cite{KandR56}を参考に実装した.
 5
 6%
 7% latexソースの最後の方(例えば,\end{document}の直前)で,以下のように参考文献リストを作る
 8%
 9\begin{thebibliography}[9]
10  % 書籍をまるごと引用する場合(まず使わないが・・・)
11  \bibitem{MeikaiC}
12    林晴彦,``明快入門C,\<'' SBクリエイティブ,2014.
13
14  % 書籍の一部分を引用する場合
15  \bibitem{KandR56}
16    B.W.~カーニハン,D.M.~リッチー,石田靖久(訳),
17    ``ポインタ配列:ポインタへのポインタ,\<'' 第5.6章,pp.131--134,
18    プログラミング言語C 第2版,共立出版,1989.
19
20  % URLで引用する場合.wwwの情報は消えたり書き変わることがあるため,必ず参照日を入れる.
21  \bibitem{OUIT}
22    岡山大学工学部情報系学科,\verb|https://www.cs.okayama-u.ac.jp/|, 参照 2017年4月1日.
23\end{thebibliography}

5. その他

  • 繰り返しになりますが,章立てや詳細な要領は,各科目の担当教員の指示に従ってください.

  • レポートの提出方法は,各教科の担当教員に従ってください.

    • 一般的には,pdf ファイルを作成して所定の場所にアップロードする方法や,紙に印刷して直接提出する方法がある.

  • より詳細な LaTeX の使い方は「レポート / LaTeX」を読んでください.

  • 参考: